オールライフマガジンALL LIFE MAGAZINE

「介護現場のストレスケア」その3(介護職のストレス)

2010年06月01日

介護職のストレス

介護職のストレスと家族の介護ストレスとの関連性

 介護ストレスを考える場合、「介護職」と「家族」とに分けて考えることができる。介護職の原因の多くは「組織・人間関係・知識不足」である。しかもそれは家族のストレスと決して切り離すことはできない。ある意味で双方のストレスは密接な関連性を示しているともいえる。具体的な現象にはこんな例がある。介護サービスを提供する側に組織的・人間関係の問題、そして知識不足などの原因による介護ストレスがあるとすれば、サービスを利用して少しでも介護ストレスを軽減するきっかけとしたいと考える家族には、ストレスにまみれたそのサービスが、100%安心で信頼のできるものに見えないのである。そしてそれは不安として表現され、その不安や不信は、家族の介護ストレスを増幅させる可能性が十分にあることを家族のアンケート調査からも読み取れるのである。組織的な仕組みづくりをもう少しそれぞれの職場の事情(施設と居宅など)や特徴に合致したものに作り上げたいものである。

介護職特有のストレス

 介護職のストレスの特徴としては、「業務量過多」や「時間的な切迫」を訴えるのは、比較的ベテラン社員や管理職などに多く、「裁量権の不足」や「役割の不明瞭さ」を訴えるのは、若い社員や女性社員に多い。さらに具体的に掘り下げると「労働条件(勤務体制と自分の希望の不整合)」、「上司との関係(上司が相談にのらない、仕事の評価を適切にしない)」、「従事業務の関係(利用者の前では明るく振舞わなければならない)」、「利用者との関係(利用者からの要求が多い:特に居宅、利用者からの暴力)」、「家庭と仕事の関係(勤務体制の関係で家族と交流する時間が少ない・地域の付き合いも少ない)」、「介護保険制度の導入で仕事が増え、利用者の要求も厳しい」などが訴えとして挙がっている。

組織でなければできないこと

 それぞれの職場特有のストレス原因を理解する場合は、その職場がどのような傾向にあるのか第三者を入れて分析をするのも有効な手立ての一つである。組織として未成熟な点があれば、積極的に確立するように心がけることも必要となる。具体的には、「勤務体制が希望と合っていない」ということであれば、全体のシフトを公平に見直してみることも必要であろう。
 介護ストレスの主要因である労働環境についての基本的な調査・分析に焦点を当てると、労働条件が厳しい職種であればあるほど効果を上げる「職員疲労度のチェック」がある。これだけで効果を挙げた実例は、長距離トラックを扱う運送業などが代表的であるが、事故の減少と顧客からの信頼と効率的な経営に「運転者の疲労度」が関わることは、外部から見ると一目瞭然である。しかしながら、内部にいるとそんなことにも気づかないところにポイントが隠れているのである。
 施設や介護事業の中にいると、外部から見れば認識できることも、見逃している可能性が高い。決して一般的な職場と同様の形を取る必要ないが、少なくとも職員のストレス反応の分析や疲労度のチェックなどをまずは実施して、最終的にその職場それぞれの特徴を活かした指示命令系統の確立や責任の所在の明確化を促し、権限の明確化とその評価が見える形を整備することが求められている。

(監修:アイエムエフ研究所)

以上