オールライフマガジンALL LIFE MAGAZINE

「介護現場のストレスケア」その37.(管理職としてのストレス3)

2013年02月14日

■ 組織的ストレスマネジメントとしての管理者・リーダー養成

 前回は、管理者・リーダー職が抱えるストレス対策への第一歩として、その役割をしっかりと身につけておくことが大切であることを解説しました。では、それはどうしてなのか考えてみることにします。

 私たちの日常でも、何も知らない全く初めての仕事が急に舞い込んできた場合は、誰でもとても大変な思いをすることになると予想するでしょう。たとえば、いつもやり慣れている家のごみ捨てや資源回収でも、新しい土地に引っ越しをしたときなどは分別方法や曜日、場所なども分からず、慣れるまではいつもよりとても大変になった経験はありませんか。また、引っ越しの日に近所の家に挨拶に行ったときに相手から「明日は町内会の清掃日だからよろしく」と言われたとすると、たとえそれが短時間で終わることであったとしても、「うちにはうちの都合があるし、そんな急に言われても・・・」という気分になることもあるでしょう。

 これに対して、やり慣れたことをすることは、当然のことながら気楽にできるでしょう。ごみ捨てや資源回収、町内会の活動の例でも住み慣れた地域のことであれば、特に何の問題もなくできてしまうでしょう。また、たとえそれがとても大変なことであっても、やり慣れたことであるならは、あらかじめ準備したり、周りの人に応援を頼んでおいたりすることができるかもしれません。万一、事前の準備や周りからの応援をしてもらうことができないとしても、やり慣れたことであるならば、それに取り掛かる前に「よし、(大変だけど)これからこのことに取り組もう」と心構えができますし、その途中にあっても、今どれくらい進んだか、あとどれくらいかかるかというように見通しを立てることができることでしょう。このように、心構えができたり、見通しを立てられたりしたとしても、実際には仕事が簡単なものに変化するわけではありませんが、精神的には随分と楽になります。ここに、管理者・リーダー職養成において組織的ストレスマネジメントの側面を考える理由のひとつがあります。

 さらに、別な理由として、新たな知識を学習することの効果についても明確にしておく必要があります。あらかじめ管理者・リーダー職を確実に養成して行くということは、養成する過程で新しい仕事の習熟を図りながら、次の段階で必要となる正しい知識を持たせることの繰り返しでもあります。ある難しい出来事があった場合にも、正しい知識が備わっていることでその背景の理解ができたり、適切な対処ができたりするなど、難しい出来事がストレスにならずに対応していくことが可能になります。


■管理者・リーダーを支える雰囲気作り

 また、管理者・リーダー職の養成する際に、さまざまなサポート体制を整えておくことは、管理者・リーダー職への組織的ストレスマネジメントを考える際の重要なポイントになります。前述の引っ越しの例でも、隣の人がごみや資源回収のルールや町内会の取り決めについて教えてくれたり、少し声をかけてくれたりするだけでずいぶん気持ちが楽になるはずです。新しく管理者・リーダー職になる人に対しても、困った場合にすぐに相談できる人やその管理者・リーダーを支える有力なスタッフを配置するなどの組織的なサポートや、新しい管理者・リーダーを支える雰囲気作りなども経営者等トップが率先して整えていくことで、新しい管理者・リーダーを確実に養成することができるはずです。


(監修:アイエムエフ研究センター)