オールライフマガジンALL LIFE MAGAZINE

「介護現場のストレスケア」その46.(管理職としてのストレス12)

2013年11月13日

■リーダー職におけるストレスのまとめ

 これまでのコラムで、リーダー職に就いた人が直面しやすい問題について具体的な場面も取り上げながら説明してきました。
 リーダー職に就くまでは、現場におけるひとりのスタッフとして利用者支援や対応など範囲の限られた役割に如何に効果的・効率的に取組み、安全に実践していくかということが大きな課題だったことでしょう。これに対し、リーダー職になると、最初に直面するのはそれに含まれる『役割の多さ』(1.マネジメント:マネージャー役、2.ベテラン:仕事の熟練者、3.コーチ:仕事の指導者、4.コンタクト:連絡・調整役)であるということをご理解いただけたと思います。
 そして、このようにリーダー職には多くの役割が求められているにもかかわらず、リーダー職に求められる職能については、それを学ぶ時間やトレーニングを受ける機会がほとんどないのが現状であるということ、このような機会がないことが原因で、リーダー職に就くと多くの方々がさまざまな壁に突き当たってしまうことを説明しました。現場スタッフであった時期には、たくさんの時間を使って利用者支援や対応をその背景からスキルに至るまで学習でき、現場に出ても安心して働くことができたはずです。それに比べて、リーダー職となると優秀な介護職員がリーダー職として任命されたはずなのに、結果的に必ずしも優秀なリーダーに成長するとは限らないという残念な結果が出てしまうことも確認しました。またリーダー職の直面しやすい状況として(初めて持つ)部下とのコミュニケーションでの問題について考えてきました。特に、対立的なコミュニケーションに対しどのように取り組むかということを解説してきました。


■キャリア・ステージのどの段階においても見られる課題(個人差)

 これまで、ステージごとにストレス要因となる問題や課題が挙げてきましたが、キャリアの発達とは関係なく(または「どの段階においても」)存在する問題・課題もあります。これから各キャリア・ステージでの共通の問題・課題に視点を当ててみることにしたいと思います。
 どの段階のキャリアの発達やステージにおいても見られる問題・課題として、まず触れておかなければならない課題は「ストレスの個人差」に関連する事柄についてです。
 今年の夏の猛暑の続くある日を想像してください。もともと夏が苦手な人にとっては、あの猛暑は耐え難いと悲観的に考えてしまいます。しかしながら、南国の海辺で育った人にとっては、海水浴など暑い夏の楽しみを考え行動することで、たいして苦にならないと言う人もいるのです。
 このように、どのような問題や課題・出来事・状況でも、その人がどう捉え・考え・行動(対処)するかによって、その結果が大きく変わってくることは想像に難くありません。このように「その人がどう捉え・考え」「行動(対処)するか」という個人差を作りだしているのが「認知的評定」という部分になります。この認知的評定は大きく分けて二段階に分かれていると考えられています。1つ目は、その問題や課題・出来事・状況自体について評価をする部分です。つまり、自分に関係しているのか、自分にとって肯定的かどうか・害や損失があるか・脅威になるか・挑戦できるかなどを指します。次の段階は、その問題や課題・出来事・状況自体にどのように取り組んでいくのか等、対処の見通しなどを立てる段階になります。この評価において、自分に関係があり、自分にとって否定的で・害や損害があり、脅威でもあり、挑戦が難しいと考えると、対処の見通しも立たないという傾向がでてきます。人によって「否定的にとらえやすい」とか「被害感を感じやすい」などの人の持つ特徴・性格からの影響も小さくありません。この部分については、次回以降で取り上げていきたいと思います。



(監修:アイエムエフ研究センター)