オールライフマガジンALL LIFE MAGAZINE

「お年寄りのこころ学」その2

2015年05月11日

 今回は年を重ねることによる『知能の変化』についてお話しします。ただし、人の個性は百人百様。みんな違っていて当たり前なのではないでしょうか。若い世代においても「人」にはさまざまなタイプの方がいます。何事も前向きにどんどん行動する人、慎重に石橋を叩いて渡ろうとする人など。お年寄りのタイプもそれと同じことです。高齢者だからといってひとくくりにすべきではないことを前提に「知能の変化」に触れていきます。

■年を重ねることと知能の変化
年を重ねることと各種能力の関係が研究されている中で、知能は高齢になってもそれほど衰えないことがわかってきています。知能には「結晶性知能」と「流動性知能」の2種類があり互いに補完関係にあります。お年寄りが日常生活を送るうえで、実は知能の低下を気にする必要はあまりないのです。2つの知能がバランスよく発揮されることが、知的で若々しく創造的な生き方ができることにつながるのです。
・「結晶性知能」とは
常識や判断力、理解力などの能力で、教育や社会的な訓練を通して、知識や経験の積み重ね
によって身につく。賢さや知恵の源であり、技能(スキル)など経験を基にした豊かな知能
がこれにあたる。
・「流動性知能」とは
新しいことを学習する、新しい環境に適応するなど、変化に素早く柔軟な対応を支える能力。
教育や経験には左右されず、生まれながらに持っている能力。

■早□で話すと、うまく伝わらないことについて
お年寄りに対し早□で話してしまったために、「うまく伝わらなかった」という経験をしたことのある方は多いようです。
年を重ねると、会話の中で論理的に考え整理する場面などでは、言っていることを理解するまでに、若い頃よりもすこし余分に時間がかかることがあります。
したがって、お年寄りと向きあうときは、ゆっくりとした□調で話してください。いつも慌ただしく過ごしている若い世代にとっても、ゆっくりと話す意識を持つことで時にはスローなテンポが心地よいものと感じられるかもしれません。
誤解しないでほしいことは、結論にたどりつくまでに時間を要するだけで、加齢によって全般的な知能が衰えるわけではありません。新しいことを覚える能力などは低下しやすいといわれていますが、知能には生涯を通じて安定している面もあるのです。高齢になっても若い人と同じように考える能力はあります。ゆっくり話せばきちんと伝わり、しっかり話し合いを持てるということです。
ただし、高齢になると物ごとを理解するために頭にとどめておくことのできる情報量が少なくなるといわれています。一気にどんどん話すことを避け、話題をいくつかに分けて話すようにしましょう。また、一度に多くの情報を伝えず、別の質問に移る前に、今の質問に答えるための時間を十分に取ることもよいコミュニケーションを築くのに役立ちます。

以下にお年寄りとの会話で気をつけたいことをまとめておきます。
1、ゆっくり話す。
2、話題をいくつかに分けて話す。
3、別の質問に移る前には、今の質問に答えるための時間を十分に確保する。

(監修:アイエムエフ研究センター)