オールライフマガジンALL LIFE MAGAZINE

「お年寄りのこころ学」その4

2015年07月12日

■認知症と決めつける前に
○最近、閉じこもり気味で、今日が何日なのか分からないことも...
もし、皆様のおとうさんやおかあさんが「あれっ、今は何日だっけ、何曜日だっけ......?」と呟くことが多くなったら、いったいどのような気持ちになるでしょうか。
多くの方は、「もしかして、認知症じゃないだろうか」と親のことをけげんな顔付きでのぞきこんでしまうのではないでしょうか。さぞ心配だと思いますが、このような親の呟きは、認知症ではないことも少なくないようです。すぐに認知症になったと決め付けないでください。
30歳代、40歳代であれば、こういうことは起こらないし、病気を疑うべきなのかもしれませんが、お年寄りでは、若い世代よりもその時々の「今、置かれている環境や状況」によって影響を受けることがとても多いのです。気持ちが沈み気味で体の具合が悪く、家に閉じこもり気味であったりすると、今日が何月何日であるのかはっきりしなくなることはあり得ることです。
外出する機会が減ってきて、社会的な役割を特に持たなくなった場合、日付というのは、それほど重要性の高くない情報になるということなのでしょう。どちらでもいい情報であるから、あやふやになってしまうという理屈です。
たとえ日付がはっきりしなくても、それ以外の日常生活には何の支障もなく自分の意見も言えるし、もちろん家族や周囲の人たちとの会話も普通に行えれば、その事実だけを持ってあまり心配することはないでしょう。

○親の□癖は「もう年だから」。もっと前向きに生きてほしいのに...
お年寄りが「もう年だから」という言葉を発するとき、体力の低下や感覚機能の低下など認識して自信を無くしたり、絶望していたりすることがあります。
また、社会のなかでは「いい年をして」とお年寄りが何か活動的なことをしようとした場合に、好奇の目でみるような習慣も残念ながら残っています。たとえば、お年寄りがまっ赤な洋服を着たり、茶髪に染めたりしたような場合、好奇な視線が向けられることもあります。
お歳よりは、「そうか、こういうことは年寄りには向かないのだな」とか、「年甲斐もないことをしてしまった」と居心地の悪さを感じ、積極的に行動するのをあきらめてしまうこともあるようです。周囲にそのようなつもりはなくても、本人はとても敏感に周囲の思いを察知しています。「いい年をして」という気持ちを若い世代はつい抱いてしまいがちですが、親の周囲からは追放してしまいたいものです。
また、幼い子どもが「遊び」を通して積極的に自ら行動してきたように、お年寄りもおとなの遊び心をくすぐるような創造的な活動が、積極的な行動を引き出すこともあります。例えば、絵画、版画、音楽、読書、日曜大工、家庭菜園、そして旅行やペットと過ごす時間など。
このようななかで、何かお年寄りが興味を抱きそうなことはありませんか。こういった活動を行える環境を整えることのできるゆとりを持つことが、お年寄りの「今よりも、元気な生活」につながることになります。 「一緒に、○○しましょうよ」と、こちらから声をかけてはいかがでしょう。

(監修:アイエムエフ研究センター)