オールライフマガジンALL LIFE MAGAZINE

「お年寄りのこころ学」その24

2017年03月14日

 前回は、在宅での介護の限界、施設入所への方針転換について、そのタイミングやきっかけを紹介しました。今回は施設、とりわけ自分の意思で選択する「有料老人ホームやサービス付高齢者住宅」の選び方について解説します。よくある有料老人ホームの紹介サイトに流されることなく、以下に紹介する視点をもって選びたいものです。

■目的に合っているか
 始めに、自身が求めているものはどういうケアなのかを明確にしておく必要があります。
 「ケア付き」が条件なのかそうでないのか、また「ケア付き」のケアはどこまでの範囲を
 求めるのか。ケア付きといっても、介護付きから安否確認サービスだけ などその隔たり
 は大きいものがあります。
■契約形態はどういうものか
 有料老人ホームの場合、終身利用権方式(生きている一代限りの利用権を購入する)、
 分譲方式、家賃方式とありますので、費用負担と併せて知っておきましょう。
■希望の地域・環境であるか
 ホームの所在地・環境が自分の希望にかなっているのか。あるいはこだわらないのか。
 土地勘がある、友人が近くに居る 山や川がそばにある あるいは、夜のネオンにほど
 ほどに近い方が良いのか否か 等々自身の生き方や好みを分っておく必要があります。
 その他文化施設、スポーツ施設、医療機関にこだわる方も多くいらっしゃいます。
 基本は、週末のレクリェーションではなく[終の住処という観点]が大切になります。
■施設の設備やサービスは希望を満たしているか
 内装・設備の綺麗さでなく、「運用・対応」を見抜く必要があります。ついつい華美な
 設備や便利さに目を奪われがちです。有料老人ホームに詳しい人に一緒に着いてきて
 もらうなども有効な手段です。 
■予算に収まるか
 入居後、月額定額費用以外にかかる費用をしっかり見極めておく必要があります。
 「購入できるか」に加え「安定的に生活していけるか」を考慮します。
 また、入居金方式の場合には、入居期の償却年数も確認しておきます。良心的に長期間
 あるケースと比較的短期で償却を終えるケースがあります。
■経営状態は信頼に足る状態か
 ホームの経営者の安定度は大丈夫か?入居金補償制度に加入しているか?あるいは入居
 金が低廉か無いか 等確認が必要です。過去には数千万円を収めたのに、数年で倒産な
 どという悲劇もおきました。その点、入居金が低廉であったりサービス付高齢者住宅の
 場合はリスクが極めて低いことになります。
■自分のライフスタイルに合っているか
 究極は、自分のライフスタイルに合っているかどうかが決定的なポイントになります。
 ホテル型が良いのか、長屋式が良いのか等です。実話ですが、都心の土地を手放して
 大金を手にした方が○億円する超高級有料ホームに入居しましたが、浴衣やりスリッパ
 で共用スペースに行くことができず、結局大衆的なホームに入居し直して楽しく暮らし
 ている例もあります。

★条件を変えて(時期や曜日)体験入居をしてみる
 ライフスタイルに合っていないなどのケースを避けるために体験入居をお勧めします。
 体験入居ができない施設は(満室を除けば)論外です。見かけはどんなに華美でも、運
 営状況は生活してみないとわかりません。スタッフの対応などはその一例ですが、例え
 ば体験入居時、朝夕食時に「そこは私の席だから」というように先輩入居者が主張する
 ようなことを体験して、決めかけていた施設を取りやめたケースもあります。したがっ
 て、一度(1日)だけでなく、曜日などの条件を変えて体験入居してみることもお勧め
 します。

(監修:アイエムエフ研究センター 榎本三千雄)