オールライフマガジンALL LIFE MAGAZINE

高齢者の家庭内事故を防ぐために16

2018年07月11日

■テーマ 食事中のひやり事故(誤嚥事故)
-当人の状況
女性Aさん88才、要介護1、配偶者(健常者)と二人暮らし
食事に関しては摂食障害がなく(当時は無いと判断されていた)、夫婦で普通の
食事をしていた。2人で協力して調理することが多かった。

-ひやりの状況
息子夫婦が孫を連れて遊びに来た時に、流行りのコッペパン(好きなジャムをリクエストして
間に塗るタイプのもの)を買ってきてくれた。
懐かしさも手伝い、Aさんは一気に口に頬張ったが、一口の量が多かったせいか、すぐにむせてしまい苦しんだ。息子が咄嗟に指を口に入れて一部を掻き出すことができて、「あー苦しかった」というヒヤリ事故で済んだ。

■知恵と工夫
・子どもさんの場合には飴玉をのどに詰まらすなどのケースが多いのですが、高齢者の場合は
柔らかいものでもその量により喉に詰まる、あるいは食べたものが食道でなく器官に入る
(誤嚥性肺炎の原因)ことが多くあります。肺炎(高齢者の多くは誤嚥性肺炎)は死因の3位に
浮上しています。

~以下に誤嚥予防のヒントを例示します。
・まず、食べる時に意識が覚醒しているかを周りの者が確認します。
・入れ歯を付ける方は入れ歯を忘れぬよう、「入れ歯忘れず」などの札を卓上に出しておきます。
・食事前は軽く口を動かし、唾液や少量の水分で口内に滑らかさをもたらしておきます。
・食材もパサパサしたものは避けます。
・一口の大きさも小さめにカットしておくと良いでしょう。
・普段から口のトレーニング、頭や顔を含めた体操を習慣にする。発声練習も有効です。
・ベッドでの食事の場合は、極力ベッドを起こして一口を小さくして食事をとるようにします。

~自分自身では摂食障害が無いつもりでも、加齢とともに進行していることがあります。
以下のような症状があれば、医療機関に相談しましょう。
・食事中、あるいは食事中に限らず、むせたり咳き込んだりすることが多くなった。
・食べ物をこぼすようになった。
・のみ込んだつもりでも、食材が口の中に残るようになった。
・噛まなくても良いメニューを好むようになった。
・食事の量が明らかに減ってきた。体重が減ってきた。
・いつもの処方薬が飲みづらくなった。
・水分も飲みづらくなってきた。

 (監修:イーケアサポート 榎本三千雄  PT 志垣健一朗)