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介護職員等によるたんの吸引等の実施 中間まとめ

2011年01月14日

介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ

  介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方についての中間まとめ(介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会)が公表された。

 

  介護職員等によるたんの吸引等の取扱いについては、介護現場におけるニーズ等も踏まえ、これまで、当面のやむを得ない措置として、在宅・特別養護老人ホーム・特別支援学校において、介護職員等がたんの吸引等のうちの一定の行為を実施することが一定の要件の下に運用によって認められてきた。しかしながら、こうした運用による対応については、法律において位置付けるべきではないか、グループホーム・有料老人ホームや障害者施設等においては対応できていないのではないか、在宅でもホームヘルパーの業務として位置付けるべきではないか等の課題が指摘されてきた。 2010年4月からは特別養護老人ホームにおける一定の条件化での介護職員のたんの吸引等が容認されている。

 

  こうしたことから、検討会は、介護現場等において、たんの吸引等が必要な者に対して、必要なケアをより安全に提供し、利用者と介護職員等の双方にとって安心できる仕組みとして、介護職員等によるたんの吸引等の実施のための法制度や教育・研修の在り方について検討を行い、制度の在り方についての基本的な考え方とその骨子についてとりまとめた。また、教育・研修や安全確保措置の具体的内容等については、2010年10月から「試行事業」が実施されていることから、その結果について評価と検証を行い、さらに検討を進めることとしている。最終的には平成24年度からの制度実施を予定している。以下は公表された「制度についての骨子」である。

[介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度について(骨子)]
1 介護職員等によるたんの吸引等の実施
○たんの吸引等の実施のために必要な知識及び技能を身につけた介護職員等は、一定の条件の下に、たんの吸引等を行うことができることとする。
○介護職員等が実施できる行為の範囲については、これまで運用により許容されてきた範囲を基本と
して、以下の行為とする。
・たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
* 口腔内・鼻腔内については、咽頭の手前までを限度とする。
・経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)
  *胃ろう・腸ろうの状態確認、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は、看護職員が行う。
○たんの吸引のみ、あるいは経管栄養のみといったように、実施可能な行為及び実施のための研修に
複数の類型を設ける。
○まずは、たんの吸引及び経管栄養を対象として制度化を行うが、将来的な拡大の可能性も視野に入れた仕組みとする。ただし、その際には、関係者を含めた議論を経て判断することが必要である。

 

2 たんの吸引等を実施できる介護職員等の範囲
(1)介護福祉士
○介護の専門職である介護福祉士が、その業務としてたんの吸引等を行うことができるようにし、養成カリキュラムに基本研修及び実地研修を含むたんの吸引等に関する内容を追加する。
○この場合、既に介護福祉士の資格を取得している者については、一定の追加的研修を修了することにより、たんの吸引等の行為を行うことができることとする。
(2)介護福祉士以外の介護職員等
○介護福祉士以外の介護職員等(訪問介護員等の介護職員とし、保育所にあっては保育士、特別支援学校等にあっては教職員を含む。)については、一定の条件下でたんの吸引等の行為を行うことができることとする。具体的には、一定の研修を修了した介護職員等は、修了した研修の内容に応じて、一定の条件の下に、たんの吸引等を行うことができるものとする。
※介護福祉士のみでは現に存在するニーズに対応しきれないこと、介護福祉士養成施設の体制整備や新カリキュラムでの養成に相当の期間を要することに留意。

 

3 たんの吸引等に関する教育・研修
(1)たんの吸引等に関する教育・研修を行う機関
○既に介護福祉士の資格を取得している者や介護福祉士以外の介護職員等に対してたんの吸引等に関する教育・研修を行う機関を特定するとともに、教育・研修の内容や指導を行う者等に関する基準を設定し、その遵守について指導監督を行う仕組みを設ける。
(2)教育・研修の内容
○基本研修及び実地研修とし、実地研修については可能な限り施設、在宅等の現場で行うものとする。
なお、教育・研修の機会を増やす観点から、介護療養型医療施設や重症心身障害児施設など医療機関としての位置付けを有する施設であっても、実地研修の場としては認めることとする。
○教育・研修の内容や時間数については、介護職員等の既存の教育・研修歴等を考慮することができるものとする。
○上記の研修を行う機関は、受講生の知識・技能の評価を行い、技能等が認められた場合のみ、研修修了を認めることとする。
○不特定多数の者を対象とする教育・研修の内容と、特定の者を対象とする場合(ALS等の重度障害者等の介護や施設、特別支援学校等における教職員など)を区別し、後者は、特定の利用者ごとに行う実地研修を重視した研修体系とするなど、教育・研修(基本研修・実地研修)の体系には複数の類型を設ける。
○教育・研修の具体的内容(時間数、カリキュラム等)については、現在、行われている「試行事業」の結果等を踏まえてさらに検討する。

 

4 たんの吸引等の実施の条件
○介護の現場等において、一定のニーズはあるが、看護職員だけでは十分なケアができない施設、在宅等として、医師・看護職員と介護職員等の適切な連携・協働が確保されていることを条件とする。特に、居宅は施設と異なり、医療関係者が周囲に少ないこと等を踏まえ、居宅における医師・訪問看護と訪問介護等との連携・協働については、積極的に促進される仕組みが必要である。
○介護職員等にたんの吸引等を行わせることができるものとして、一定の基準を満たす施設、事業所等を特定する。
<対象となる施設、事業所等の例>
・介護関係施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、通所介護、短期入所生活介護等)
・障害者支援施設等(通所施設及びケアホーム等)
・在宅(訪問介護、重度訪問介護(移動中や外出先を含む)等)
・特別支援学校
○医療機関の取扱いについては、所定の看護職員が配置されているなど介護職員等によるたんの吸引等を積極的に認める必要がないことから、対象外とする。
※なお、この問題については、医療・介護の在り方に関する根本的な論点を含むものであり、別途、検討する必要があると考えられ、今後の検討課題とすることが適当である。
○介護職員等がたんの吸引等を行う上での安全確保に関する基準を設け、医師・看護職員と介護職員等の連携・協働の確保等、基準の遵守について指導監督の仕組みを設ける。
○医師・看護職員と介護職員等との具体的な連携内容や安全確保措置の具体的内容については、現在行われている「試行事業」の結果等を踏まえてさらに検討する。

 

5 制度の実施時期等
○介護保険制度等の見直しの時期も踏まえ、平成24年度の実施を目指す。ただし、介護福祉士の位置付けについては、介護福祉士養成課程の体制整備や新カリキュラムでの養成期間等を踏まえた実施時期とする。
○現在、一定の条件の下にたんの吸引等を実施している者が、新たな制度の下でも実施できるよう、必要な経過措置を設ける。

(参考資料:厚生労働省)